著者からのごあいさつ
前作「一年で黒字を実現する赤字企業再建術」では、返済猶予やリスケジュールから抜け出し、継続的に利益を出す黒字企業に生まれ変わるための具体策について書かせていただきました。
このたびの新著では次世代に企業を承継するときに、どのような方法が選択できるのか、そして一人でも多くの従業員の雇用守るための具体策をお伝えしたいと思い、このたびの出版に至った次第でございます。
この本は、企業の経営者の方にはもちろんのこと、会社再建や事業再生に携わっている専門家や金融機関、さらには行政の方々にもお読みいただき、本書を基に中小企業の事業再生ということについて様々な疑問が為され、一人でも多くの従業員の雇用が守られる中小企業の再生について真剣に考えていただく一助を担うことができれば幸いでございます。
「目次」のご紹介
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はじめに
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第1章 なぜリスケ中にもかかわらず会社が潰れるのか
- リスケ脱却のロードマップを描け
- 別会社による債務免除がなぜやりやすいのか
- リスケ中でも会社は倒産する
- なぜリスケ中に経営改善が進まないのか
- 売上盲信は論外、黒字化しても再建再生できないワケ
- サービサーの活用も有効な手立ての一つ
- 信金・信組での債務免除が難しい理由
- 銀行交渉で求められる大義名分
- 引当金とは何か
- 銀行の目線を知ることで、経営改善のヒントが見つかる
- 相対評価を大事にする
- 別会社を利用してリスケの苦しみから抜け出るために
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第2章 リスケから脱出する4つの戦略
出口戦略1リスケの継続と長長期でのまき直し・肩代わり+格付正常化
- 正常先に戻ってこそ本当のリスケ脱却
- 論理的に納得できる計画書をつくれ
- 他力本願では会社を再建できない
- 出口戦略で大切なのは「黒字化」と「返済再開」
- 「支援する価値のある会社」と評価されるために
- 会社再建は早く立ち直ったものが勝つ
出口戦略2サービサーを使った債務免除で会社再生
- サービサーの活用は最後の選択肢
出口戦略3資本的劣後ローンで債務超過を解消し、格付も正常先へ
- 資本的劣後ローンは魔法の杖!?
出口戦略4別会社を活用して再生し、再出発する
- 新たな器で事業を継続できる再生手段
- 別会社による会社再生のメリット
- 「独立型」と「会社分割型」のどちらを選択するか
- 別会社で再生を成功させる7つのポイント
- 元の会社はどうするのか
- 別会社による事業再生で訴えられているのはなぜか
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第3章 別会社を使って事業を再生する方法
- 事業再生スキームを作成せよ
- 別会社による会社再生の成功例
- 【事例1】前例のない会社分割で債権者も納得の事業再生
- 【事例2】リスケ2年目で別会社による会社再生を決意
- 取り組み開始4ヶ月後に別会社で事業を開始
- 【事例3】会社分割の実行直前に事態が急展開
- 紆余曲折を経て新会社を設立し、事業を早期に開始
- 【事例4】別会社を活用して仙台から息子への事業継承
- 先代が築いた信頼をベースに営業を再開
- 【事例5】サービサーを活用した債務譲渡、債務免除で会社再建に成功
- 6ヶ月での再生を目指すなら早めに手を打つべき
- 別会社での事業継続に向けて
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第4章 事業再生後に経営を安定させるための心得
- ベクトルを合わせる大切さ
- 先頭を走るのは経営者
- 現預金経営のすすめ
- 経営者は数字を勉強せよ
- 経営数字の変動に疑問を持ち続ける
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おわりに