コラム詳細|コラム

売上を着実に伸ばし安定的に成長させる 2022.03.18

「売上が伸びないのは営業力が弱いからだ。」

営業に関する書籍や研修を受け、営業強化策や営業マンの教育・増員、

マーケティングの取り組みを行っている会社が多くあります。

また、売上が伸び悩むのは商品力が弱いからだと考え、

商品開発やサービス強化に取り組んでいる会社もたくさんあります。


ところが、これらの取り組みで、実際に売上が数年にわたって伸びている会社はおおよそ1割以下。

残りの9割は、取り組んでも思うように売上が伸びていません。


営業の強化や商品力の強化に取り組んでも売上が思うように伸びない、

それがなぜなのかをお話したいと思います。


実は、営業力や商品力の強化策などの方策が上手くいくには、たった一つですが条件があるのです。




仮にあなたの会社が、今の日本国内で「洗濯機」を販売しようとしたとします。

この時、あなたはどのようなことに取り組みますか?


おそらく、

①競合他社の販売価格や商品、アフターサービスを調べ、

②洗濯機の機能面やデザイン面で他社との差別化を検討し、

③広告宣伝を含めた販売施策を立案し、

売上確保を目指すと思います。


言い換えると、

①市場を調べ

②商品力を検討、強化し(商品力の強化)

③営業販売策を立案する(営業販売の強化)

ですね。


この取り組み自体は間違っているとは思えません。

しかし、これらの取り組みで洗濯機の売上が伸びていくことが想像できるでしょうか?


なかなか上手くいく姿は想像できないと思います。


洗濯機という商品では、販売しにくいという声もあるかもしれません。

では、ほぼ一人一台が持っていると言われる携帯電話を販売するとすれば、

売上を伸ばしていくことは想像できるでしょうか?

パソコンや車の販売でも構いません。

生命保険でも構いません。

消費財でなくても、生産財でも構いません。


実は、今の日本では、商品や製品、サービスの売上を伸ばすことはとても難しいのです。

一時的に売上を伸ばすことは可能です。

しかし、35年と中期長期にわたって売上を伸ばすことはとても難しくなっています。


それは、営業力や商品力が弱いからではなく、企業経営や国民生活において、

多くの商品やサービスが溢れ、ほぼ全ての市場が成熟しているからです。

ないと困るというものがなくなり、必要なものは、必要なときにいつでも手に入るからです。


戦後から高度成長の初期、洗濯機がまだ各家庭に普及していなかったときは、

洗濯機を販売するのはいとも簡単でした。

しかし、今、洗濯機はほぼ100%の家庭に普及(H26年消費実態調査:経産省)しています。


商品を作れば売れるのではなく、買い換えを促進しないと売れないのです。


その買い換えを促進する手段が、営業・販売強化と商品開発です。

では、営業販売を強化し、商品開発をすれば売れるのかというと、そう簡単には売れません。


そうです。

すでに、どの家にも洗濯機があり、その洗濯機が普通に動いているからです。


このような状況では、営業販売を強化してもなかなか売れないことがおわかりいただけるはずです。

商品力を強化しても同じです。商品力強化は、商品開発のことを指します。

洗ったあと、生地を傷めずに10分で乾燥できるなど、他社にはない画期的な機能を持つ商品が

開発できれば、それが差別化要因となり、少しは売れるかもわかりません。

この商品・サービス開発に大手企業だけでなく、スタートアップ企業や中小企業も

取り組んでいますが、その成果を獲得できるのは、一握りの企業だけです。

商品・サービスの市場が成熟期になっているからです。


何もこれは洗濯機だけの話ではありません。

消費財、生産財ほぼ全てに当てはまります。



市場にある商品が普及している状態のことを「プロダクト・ライフ・サイクル」では

〝成熟期〟と言います。

この商品がリプロダクトされ、画期的な新商品が生まれることで成長期を作ることができます。

ガラケーからスマホに移行していたときは、一時的な成長期になり、スマホ業界の売上は伸びました。

しかし、スマホの普及率が上がることで再び成熟期になり、また買い換え需要が主になりました。



新たな〝もの〟を開発し、販売することはとても難しく、

「買い替え需要」が今の日本市場の姿なのです。


洗濯機は「生活家電」と言われる事業分野です。

この「生活家電」から「ビジネス家電」「情報電子機器」「AI家電」など、

伸びるであろう事業分野にポジションを変えていくことを

「事業分野の再定義」または「事業立地を転地する」と言います。



「買い換え市場」が主になってしまっている今の日本において、売上を伸ばし安定させるには、

『事業分野を見直し、事業立地を変える』ことが最も重要なカギなのです。

この数年間の相談事例や診断事例から、今、売上が伸びない会社は、

そもそも売上が伸びない事業分野・事業立地になっていること場合がほとんどです。


この状況では、営業強化や商品強化にどれだけ注力しても売上を伸ばすのはとても難しく、

仮に売上が伸びても、単価が下がってコストが増加し、利益が減少してしまいます。



売上を着実に伸ばし安定させることができる事業分野を再定義し転地できれば、

営業や商品の強化策がドンピシャに当たるのです。



では、この事業分野を再定義し転地するにはどうすればいいのか。


●今のあなたの会社の商品や事業が今後も伸びるのかどうかを客観的に分析すること

●市場の中で売上を伸ばしていくだけの競争優位戦略を見出すこと


この2つです。



①あなたの事業が今後も伸びるのかどうかを客観的に分析する

➡ ポジショニング・ビュー

➡ プロダクト・ライフ・サイクル


②市場で売上を伸ばしていくための競争優位戦略を見出す

➡ リソース・ベースト・ビュー

➡ VRIO

➡ 3つの戦略




営業・販売力や商品力の強化に取り組むのは、これらを行ったあとです。



上記については、3/2513時からのビジネス研究会(東京)で、詳しく解説します。


売上を伸ばし安定的に成長させたい方は、必見です。


会場参加でも、オンライン参加でもOKです。

なお、士業・コンサルタント、個人参加の方はご参加いただけません。ご了承ください。


参加申し込みはこちらから ⇒