今日の日経新聞で、TKC全国会の広告記事が掲載されていました。
TKCは、日本最大の税理士組織団体です。
私もTKCの税理士の先生もたくさんお付き合いがありますし、親しくさせていただいています。
その方々も、口を揃えて言うことがあります。
それは。
「税理士に、企業が必要とする本当の意味での経営改善計画や中期計画は立てることは難しい・・・」
数値だけで、パソコンを使ってシミュレーションをするのであれば、これは誰でもできることです。
経営改善計画は、数値だけではなく、その実現可能性を戦略と行動計画に落とし込まなくてはいけません。
とりあえず、社長にフォーマットを渡して「書いておいてくださいね」だけで、会社の本当の問題点を把握し、経営改善のための新たな戦略や行動計画を作成することができる社長であれば、そもそも経営改善計画など必要のない状態の会社のはずです。
会社の本当の問題点(原因)をつかんで、そのための対策を立て、それを実行することがどれだけ難しいか。
数値を並べるだけで経営改善計画というのであれば、それは机上の計画にしかすぎません。
いかにして、それを実現するのか、そのために何に取り組めばいいのかをアドバイスし、その進捗を適切に管理することが中小企業に求められていることだと思うのです。
税理士の先生方には、安易に数値だけの経営改善計画や中期計画を作るのではなく、本当に意味のある、それで会社が良くなる道筋を表した計画の策定指導をお願いしたいと思います。
昨日、黒字率97%の会社で実行していることの一つに、「目の前のことに全力で取り組むこと」と書きました。
この「目の前のこと」というのは、何でもいいのではありません。
会社が悪くなった本当の原因を把握し、そのための対策の中で、「今、できることに取り組む」という意味です。
とりあえず、何か取り組めばいいと言うのではありませんので、ご注意を。
ところで、黒字率97%の会社でも計画は立てています。
5年間や10年間の経営改善計画を立てている会社もあります。
しかし、大事なことは5年後ではなく、この1年間に、何を目標に、何に取り組むのかということです。
ですので、黒字の会社では、1年間の計画はキチンと立てています。
その具体な的立て方の一つには。
固定費の計画を立てることに非常に時間をかけると言うことです。
固定費科目一つ一つに関し、何に使うのかまで緻密に詳細に議論し、予算化しています。
だから、時間がかかってしまいます。
ここで、重要なことがあります。
「曖昧排除」です。
曖昧な経費は一切なくす。
余計な支出は一切しない。
1年間の計画策定に相当に時間をかけて、議論し、その達成に全ての情熱を傾けるのです。
いい加減な、適当な計画を立てているようでは、赤字から黒字への転換はできません。
「命を賭けて、達成するのが計画だ」
これくらいの意気込みで、固定費計画を立てるのです。
これだけではありません。
ここでもう一つ大事なことがあります。
黒字率97%の会社は、売上をアップさせる計画は立てていません。
売上をアップさせようとすると、余計に会社が苦しくなることを知っているからです。
黒字にするためには、売上を上げてはいけないのです。
このテーマは、またの機会に。
「曖昧排除で、一つ一つの固定費科目の内訳を把握し、使い道を考えて計画を立てる」
是非、実践してみてください。
かならず、あなたの意気込みと決意が吹き込まれた計画ができあがりますから。