あなたは、売上をあげるためにどのような方法を実践していますか?
- 既存顧客へアプローチ
- 単価を上げるための商品開発
- 新規開拓など
売上を上げるには、いろいろな方法がああります。
私のところにご相談に来られる方の多くの経営者も、「売上をあげるにはどうすればいいでしょう?」ということを言われます。
私は、どのような会社でも売上をあげることは可能だと信じています。
しかし、そのためには大変重要なことがあります。
それは・・・。
「会社に商品があること」です。
このようなことを言うと、「商品がない会社なんてあるわけないでしょ!」
ところが、商品がない会社が多いのです。
意外にも、売る商品がない会社が多いのです。
ずっと以前に、ある電気製品の量販店を指導していたことがあります。
その会社の売上が低下し、このままではいけないということから、役員会で今後の売上拡大策について検討をすることになり、その場に私も出席させていただきました。
その役員会では、さまざまな販促策について意見が出されました。
が、なかなかこれと言った策が出てこず、売上を上げるための方法が今ひとつ見えないまま2時間ほどが過ぎていったと記憶しています。
私は、これ以上会議をやっても売上を上げるための良い方法が見つからないなと思い、役員の方々に質問をしました。
「皆さんの会社、電気量販店の商品は何ですか?」
役員の方々は、先生は「何を今さら聞いているのか」といった顔をして、お互いに見合わせ、一人の役員の方がこう言いました。
「当社の商品はテレビや洗濯機、冷蔵庫などの家庭用の電化製品です。最近ではパソコンなども当社の商品です」
(昔の話なので、最近ではパソコンも・・・という言い方になっています)
私は、次のように言いました。
「ソニーのテレビも、松下の洗濯機も、東芝の電子レンジも、すべてメーカーの商品じゃやないですか。私が聞いているのは、御社の商品は何ですかということを聞いているのですよ」
役員の方々は黙ったままになり、しばらくして社長が「当社には商品といえるものがないということがわかった」と言われました。
売るべき商品がないのに売上を上げることはできません。
その後、この大手量販店は、
「自社の商品、本当の商品は何か?」
ということを真剣に議論し、自社の商品を創り(メーカーにお願いして自社ブランド商品を作った訳ではありません)、売上をアップを実現されました。
あなたの会社には、商品がありますか?
あなたの会社の本当の商品は何ですか?
売上を上げるには、まず、この「商品」を創り上げること、明確にすることが大事です。
誤解のないように。
必ずしも、何か形ある自社ブランドの商品を作ることではありません。
そして、自社の本当の商品を検討する際に重要な視点がUSPです。
USPを日本語で言うと、「当社だけの独自の売り」ということです。
あるピザ宅配会社は、以前、自社の独自の売りを
「ピザを30分以内に届ける」
「30分を超えたら無料にする」
という2つを考え、これをPRしました。
この結果、このピザの宅配会社は売上が大幅に増加したのです。
ピザのデリバリーをしている会社の商品は何かと考えたら、普通は「ピザ」と答えると思います。
しかし、この会社は、ピサを商品とするのではなく、先ほどの2つのことを商品とし、これを消費者に伝えたのです。
また、この30分以内に届けるということを見つけ出すプロセスとして、ピサをデリバリーで食べたいと考える消費者は、どのような不満をもっているのだろうかということを考えることが重要です。
「冷たいピザが届く」
「注文してもいつ届くかわからない」
消費者は、このような不満を持っているのではないかと考えたのです。
そして、
「30分以内に届けることを約束する」
「30分を超えたら無料にする」
とすることで、不満を感じさせないようにし、さらにはメリットを与えたのです。
これで消費者は、「30分超えてもいいよ」と思うはずです。
そればかりか、冷めたピザそのものに不満を抱くことはなくなります。
自社の本当の商品は何か?
そして、それは、自社独自の売り(USP)になっているのか?
これを創り上げれば、あなたの会社の売上をあげることはそう難しいものではなくなるのです。
あなたの会社の本当の商品は何ですか?
その商品は、USPになっていますか?