人には3通りの人がいるとよく言われます。
- いて欲しい人(必要な人)
- いてもいなくてもどちらでもいい人
- いない方がいい人
2対6対2の法則というのがあります。
いろいろな場面で使われていますが、この3通りの人にも当てはまります。
いてもいなくてもどちらでもいい人が60%
いて欲しい人といてもらうと困る人がそれぞれ20%
やはり会社で仕事をするのであれば、いて欲しい人、必要な人になりたいものです。
どうすれば必要な人、いて欲しい人になれるのでしょうか。
私の周りにはとても尊敬できる経営者の方が多くいます。
その中のお一人の方のお話です。
その方は、普段は社長室にいてて、営業部門などの大半の社員たちは階数の違う別のフロアで仕事をしています。
しかし、その方は階段で社員とすれ違って挨拶を交わすだけで、その別のフロアで何か問題が起きていることを察知されます。
社員たちがいるフロアに入っただけで何かあったことをすぐに感じ取ります。
この方だけではありません。
優秀な経営者といわれる方々の共通点に、感受性の高さがあるのです。
よく自分は気がつくとか感受性が高いと言う人がいますが、自分でいう人は大抵それほど高くありません。
おそらく見えていなかったり聞いていなかったら何もわからないでしょう。
私がここで言っている感受性は、顔を見て、言葉を交わして、そしてその場の雰囲気や空気を感じ取るだけでなく、その場所にいなくても、胸騒ぎのようなもので感じ取ってしまうと言うその感覚の鋭さです。
自然の動物は、小さな遠く離れた音を聞き分けることができたり、極めて微量のにおいをかぎ分けたりします。
うちの猫でさえ、若いときは、玄関に誰かがきたことをインターホンが鳴る前に察知し、すぐに隠れるような行動をとっていました。
人間も動物です。
創業社長や優秀な経営者はこういう能力が敏感なのだと思います。
「動物的勘」といいますが、会社を創業し、この社会の中で社員の雇用を守り、会社を存続させるには、自然とそのような能力が発達していくのかもわかりません。
経営コンサンルタントに成り立ての頃、さきほどの経営者の方のことを、「この方は超能力のようなものでも持っているのかな」と思っていました。
が、超能力ではありませんでした。
あるときその方に食事に誘っていただき、焼肉をいただいていたとき。
思い切ってその方に聞いてみました。
「階段で社員の顔を見ただけで問題を察知したり、社員のいる場所に行っただけで問題を感じ取ったり、さらには社員のフロアにいないにもかかわらず問題が起きていることがわかったり、その上、問題が起きる前にわかるのはなぜですか?」
その方は、「そんなのは社長なら当たり前や。会社の建物も含めてすべて自分と会社は一体と思ってきたから、ここまでこれたんや。自分の会社で自分がいようがいまいが何が起きているかわからんようでは社長失格やな」と笑いながらおっしゃられました。
社員のことや会社のことを、自分のこととして意識をしているということだったのです。
意識を広げていると言ってもいいかもわかりません。
私も経営コンサルタントとして独立し、その後、社員を採用し、事務所を広げていくうちに、会社という社員を含めたソフトだけでなく、事務所というハードそのものにも何かあればわかるようになりました。
何かあればわかると言うより、そろそろこのままだと何か起きるということもわかります。
この方が言われたとおりでした。
社長になり、社員と雇い、事務所を大きくするにしたがって気がつけば感じ取るようになっていました。
私の会社の玄関は、私の場所からはドアがあり直接見えません。
中には、静かに入ってこられるお客様もいらっしゃいます。
それでもすぐにわかります。
「そろそろあの社員と話をしておかなければ何か問題をおこしそうだな」
「あの得意先にそろそろ連絡をしておかなければ、先方からかかってくるぞ」
いつも当たります。
見えていないからわからない。
聞こえていないから知らなかった。
これは、自分が意識していないからです。
意識を広げていないからです。
人間の脳は、右脳と左脳があります。
左脳は文字や言葉などを認識し思考や論理を司る人間的な脳と言われます 。
右脳は視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの五感を司る動物的な脳と言われます。
今までお話をしたことは、左脳を使うだけでなく、右脳の力が高まっているということではないかと思います。
- 空気を感じ取る
- 空気を読む
- ちょっとした目の動きやまぶたの動き、口もとの動きで感じ取ることができる
- 見えない部屋の端で何が起きているかわかる
- 見えない場所にある玄関に誰かがきたらわかる
- 電話で話をしている声色でその人の心の状態がわかる
- 事務所内に落ちている小さなゴミを必ず見つける
- 観葉植物の元気がなくなっているとすぐわかる
左脳を使って物事を考え、行動することは当然大事です。
当たり前です。
ところが、それだけに頼ってしまって、感じ取るという本来人間が持っている力を使い切れていない。
そして、見えないからわからない。
聞こえないから知らない。
集中していたら気がつかない。
と頭でしか感じ取ることができなくなっていく。
これでは、いて欲しい人にはなれないと思うのです。
集中していても、自分の意識を他のモノにまで広げることはできます。
サッカーを想像してください。
目の前のボールに集中するだけでは、敵が横にいてもわからないという三流選手です。
目の前のボールに集中するだけでなく、敵が横にいるのか、後ろにもいるのか、後のどの辺にいるのかを目で見るだ
けでなく感じ取っているからこそ、絶妙なパスとドリブルで敵を交わし、シュートが生まれると思うのです。
会社を経営する上でも、人生をよりよく生きるためにも。
そして、成功する人生をつかむためにも。
「感じ取る」という力を出すことが必要だと思うのです。
- 感情移入
- 感受性を高める
- 空気を読み、表情や声色をみる
- 意識を広げたりすることができる
「感じ取れるようにがんばります」
がんばって感じ取ろうとした時点で左脳が動いています。
がんばるのではなく、感じるのです。
意識を広げるのです。
自分のこととして捉えるのです。
ただそれだけです。
- いて欲しい人
- いてもいなくてもどちらでもいい人
- いない方がいい人
今からの「意識」の持ち方で、あなたがどうなるかが変わります。